ビジネスパーソンをターゲットとしたマーケティング支援をおこなう「JBpress Communication Design Studio」。

 今回は、メディア業界に長年携わり、BtoBマーケティング支援実績を数多くもつ辻村裕一さんに、JBpressならでの特徴や強みを聞きました。
 

ノーバジェット・マーケティング株式会社 代表取締役社長 辻村 裕一氏
広告代理店を経て、’95年IDGコミュニケーションズ(IT系出版社)に入社。広告営業本部長を務めた後、’03年に執行役員。’06年アイティメディアに入社。ITインダストリー事業部 営業統括部長を経て、’12年に執行役員プラットフォームビジネス事業推進部長。バーチャルイベント/Webセミナーの新規事業(米国ON24社との提携事業)等に従事。’16年に常務執行役員 営業本部長。’20年アイティメディアを退社、BtoBマーケティングプロモーションの企画等を手がけるノーバジェット・マーケティング株式会社の設立に参画。

複数メディア横断型の広告施策

 JBpressの広告スキームは、他のメディアとはまったく違うと話す辻村さん。いったい何が違うのでしょうか。

「自社メディアを持ちながら、ターゲットや目的に応じて自社以外の複数メディアを横断した広告キャンペーンも展開する。こんなスタイルは、他のメディアではまずありえません。おそらくJBpressのみでしょう」

 JBpressでは、自社メディアに掲出する広告だけでなく、他社メディアを含め広告を横断的に展開する「共同広告商品」(Media League)という広告商品を取り扱っています。複数のメディアを横断することで、各媒体に即した多角的な訴求が可能になります。

 しかし、なぜそのような横断施策が可能なのか。実は、そこにはJBpressの成り立ちが深く関わっています。

 JBpressは、複数のメディア出身者が集い、2008年に立ち上がったウェブメディアです。立ち上げ当初から本質的で信頼性の高いコンテンツを配信するとともに、CMSを軸としたプラットフォーム「Media Weaver」を数多くのメディア様に提供し、デジタル化のための運営やマネタイズを支援してきました。現在80以上のメディアに利用されています。

 そうした経緯と「Media Weaver」をきっかけに繋がった各メディアとの関係性があるからこそ、複数メディアを横断した広告商品が誕生しました。

 しかし、他社メディアの広告商品をセールスすることでJBpressのプレゼンスが相対的に下がってしまうのではないかとも思えます。その辺りのジレンマは、どうしているのでしょうか?

ストーリーを一緒に考えるマーケティングパートナー

 それに対し、辻村さんはこう言います。

「JBpressを見ていると、単なる広告営業としての立場ではなく、クライアント企業の『マーケティング施策のパートナー』として動いていることがよくわかります。他のメディアであれば、自社メディアへ広告を出してもらうことがゴールになりますが、JBpressは自社メディアへの出稿以上にクライアント企業のマーケティング施策そのものにプライオリティを置く稀有なチームです」

 マーケティング施策全体のゴールを見据え、そこに向けて認知獲得から理解促進、検討促進、購入にいたるまでのストーリーをクライアントと共に考える。そして、それを実現するためにさまざまな施策を提案・実行する。だからこそ、必要とあれば競合メディアとのメディアミックスも、厭わないのです。

 そうした「マーケティングパートナー」としての姿勢は、広告メニューの幅広さにも表れています。

「JBpressが以前、ある大手クライアントに、デジタルOOH(屋外広告)からコンテンツマーケティングまでも含めたパッケージ施策を提案されていたのが印象に残っています。

 当初、クライアントは新サービスのプロモーションを目的とした新聞広告への出稿をメインに検討していたようですが、クライアントのターゲットやニーズを紐解きながら、理解促進やリード獲得といったフェーズごとに割り振り、複数施策を数か月にわたって順次実行する “立体的”なプロモーションでした」

他メディアに先駆けてオンラインイベントを開催

 加えて、辻村さんはこんなエピソードも印象に残っていると言います。

「JBpressでは2020年に、もともとオフラインでの開催を予定していた協賛型の広告のセミナーを、コロナでの自粛報道を受けを、5営業日前に急遽オンラインでの実施に切り替えました。その頃はまだどこのメディアもオンラインセミナーなど開催したことがなくJBpressが本格的なオンラインセミナーを行った先がけのメディアとなりました。

 また、同じ年に5,000名規模のオンラインセミナーとバーチャル展示会で構成したバーチャルイベント『JBpreee DX World』を開催されましたが、この規模のバーチャルイベントもビジネスメディアでは初でしょう。

 おそらく伝統のあるメディアでは、いろいろな調整があり、こうしたスピード感や先進性のもとで施策を実行するのには時間が必要だと思います。だからこそJBpressには、今後も時代に先がけた取り組みを行い、メディアを先導する存在であり続けてほしいです」

 そして辻村さんはもう1つ、JBpressが競合メディアとのメディアミックスも厭わない大きな理由を挙げてくれました。

「おそらくJBpressはそもそも『メディア業界全体を盛り上げたい』という思いが根本にあります。だから現場でメディア同士が広告を取り合う形になりかねないといった部分には、あまり視点がいっていないのではないでしょうか」

 日本のメディア全体を盛り上げていきたい。実はJBpressでは、それを理念として明確に掲げています。

「良質なコンテンツを増やし、人生をより豊かに。」

 良質なコンテンツは、人の生活や人生を豊かにする。だからこそ、きちんと取材し手間ひまかけて制作したコンテンツを自社でもしっかり届けていくし、それを届けるメディアを支援したい。

 あらためて辻村さんは、JBpressについて以下のようにまとめてくれました。

「簡単に言えばJBpressは、メディアと広告代理店と広告制作会社がくっついて1つになったみたいな存在ですね。広告主にとって、これほど頼りになるメディアは、そうないのではないでしょうか。そのぶん、中の人はやることが多岐にわたって大変でしょうが、やりがいも大きいと思います。褒めすぎてしまったかもしれませんが(笑)、これからも期待しています」