2018.3.19

ビジネス系メディア業界の全体像を知る

あなたの知らないビジネス系メディアとBtoB広告の世界(第1回)

瀬木 友和(株式会社日本ビジネスプレス)

メディア マーケティング
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

はじめまして。瀬木と申します。ビジネス系メディアでBtoB広告の仕事に携わって15年。ビジネス系メディアとBtoB広告を愛してやまないアラフォーの男です。この連載では、日経新聞から総合ビジネス誌、Webメディア、業界紙、専門誌まで、奥深きビジネス系メディアとBtoB広告の世界について、あれこれと綴らせていただきます。

■ ビジネス系メディア業界の全体像を知る

一概にビジネス系メディアと言っても、さまざまなジャンルに分けられます。まずは、ビジネス系メディアの全体像を整理してみます。

経済紙・産業紙

経済、産業、企業、マーケットなどの情報を幅広く扱う新聞です。「日本経済新聞」、「日経産業新聞」、「日経MJ」、「日刊工業新聞」、「フジサンケイ ビジネスアイ」などがあります。中でも日本経済新聞社が発行している「日本経済新聞」は、あらゆる業種・職種・役職のホワイトカラーに購読されており、電子版と合算した購読数は3,057,247(2018年1月、日本経済新聞社発表)。まさに日本を代表する経済紙といえる存在です。そのほか、消費者向けビジネスに特化した「日経MJ」や、製造業に強い「日刊工業新聞」など、各メディアで特徴・強みを持っています。

<この分野の代表的なメディア>
 ・日本経済新聞
 ・日経産業新聞
 ・日経MJ
 ・日刊工業新聞
 ・フジサンケイ ビジネスアイ

経済誌・ビジネス誌

経済、産業、企業、ビジネストレンド、自己啓発など、経済やビジネスに関する情報を広く扱った雑誌です。近年では、相続や教育といったビジネスパーソンのプライベートな関心ごとを取り上げる特集も増えています。代表的な経済誌としては、『日経ビジネス』、『週刊ダイヤモンド』、『週刊東洋経済』などが挙げられます。速報性では新聞に劣りますが、ひとつの事象を深く掘り下げるのが雑誌の強みです。『プレジデント』は、上記3誌とは少し雰囲気が異なり、おカネや自己啓発など、ビジネスパーソンの個人にフォーカスした特集記事が多いのが特徴です。経済誌・ビジネス誌の全体的な販売部数は減少傾向にありますが、多くの媒体社では、そのブランドや知見、ネットワークを生かし、Webメディアの運営に力を入れています。

<この分野の代表的なメディア>
 ・日経ビジネス
 ・週刊ダイヤモンド
 ・週刊東洋経済
 ・プレジデント
 ・Wedge(ウェッジ)
 ・週刊エコノミスト
 ・Forbes日本版
 ・DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー
 ・DIAMOND Quarterly
 ・日経ビジネスアソシエ
 ・日経トップリーダー
 ・THE21
 ・財界

ビジネス系Webメディア

新聞社や出版社など、伝統的なビジネス系の媒体社がいずれも注力しているのがWebメディアです。経済やビジネスに関する情報は、ビジネスパーソンの仕事の成果に直結するため、一般向けのメディアと比較して、有料での購読や実名での会員登録につながりやすいという特徴を持っています。有料購読モデルの「日経電子版」から、基本的に外部メディア(「Yahoo!ニュース」、「SmartNews」など)への配信を行わない「日経ビジネスオンライン」、積極的に外部配信しつつも記事の一部に会員認証(多くは無料会員)を行っている「ダイヤモンド・オンライン」や「JBpress」、大半のコンテンツを会員認証なしで閲覧できる「東洋経済オンライン」まで、その運営形態はさまざまです。

<この分野の代表的なメディア>
 ・日経電子版
 ・日経ビジネスオンライン
 ・ダイヤモンド・オンライン
 ・東洋経済オンライン
 ・プレジデントオンライン
 ・現代ビジネス
 ・Wedge Infinity
 ・JBpress
 ・SankeiBiz(サンケイビズ)
 ・ニュースイッチ
 ・ITmediaビジネスオンライン
 ・REUTERS(ロイター日本版)
 ・Bloomberg(ブルームバーグ日本版)
 ・THE WALL STREET JOURNAL.(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版)
 ・WIRED(ワイアード日本版)
 ・BUSINESS INSIDER JAPAN
 ・NewsPicks

専門メディア

特定の業界や職能に特化したビジネス系メディアです。総合的なビジネス系メディアではあまり触れられることがない、業界や職能に特有の情報が網羅されています。その多くは新聞や雑誌などの紙メディアが主体ですが、近年ではWebメディアの運営に乗り出す媒体社も増えています。なお、ITや医療など一部の分野に関しては、すでにWebメディアが主体となっています。

専門メディアは非常に幅が広いため、ここでは一部の業界・職能の代表的なメディアだけをご紹介します。

<IT>
 ・日経コンピュータ【雑誌】
 ・日経xTECH(クロステック)【Web】
 ・ITmedia【Web】
 ・CNET Japan【Web】
 ・TechCrunch【Web】
 ・IT Leaders【Web】
 ・ビジネス+IT【Web】
 ・週刊BCN【新聞】/週刊BCN+【Web】

<製造業>
 ・日経エレクトロニクス【雑誌】
 ・日経ものづくり【雑誌】
 ・日経Automotive【雑誌】
 ・日経xTECH(クロステック)【Web】
 ・MONOist【Web】

<小売業>
 ・DIAMOND Chain Store【雑誌】/DRMオンライン【Web】
 ・月刊販売革新【雑誌】/商業界オンライン【Web】
 ・日本流通産業新聞【新聞】/日流ウェブ【Web】
 ・月刊激流【雑誌】

<医療>
 ・m3.com(エムスリー)【Web】
 ・日経メディカル【雑誌】/日経メディカルオンライン【Web】
 ・日経ヘルスケア【雑誌】
 ・CareNet.com【Web】

<金融>
 ・日経ヴェリタス【新聞】
 ・ニッキン【新聞】【Web】
 ・金融経済新聞【新聞】
 ・週刊金融財政事情【雑誌】
 ・月刊金融ジャーナル【雑誌】

<広告・マーケティング>
 ・宣伝会議【雑誌】/宣伝会議オンライン【Web】
 ・DIGIDAY日本版【Web】
 ・MarkeZine(マーケジン)【雑誌】【Web】

今回、ご紹介させていただいた専門メディアはごく一部です。例えば金融業ひとつをとってみても、金融業全般を扱った総合的なメディアから、銀行、保険、証券、リース、消費者金融、機関投資家などの業態ごとに特化したメディアがありますし、同じ銀行業界向けでも、銀行業界全般を扱うメディアから、銀行窓販に特化したメディア、銀行法務に特化したメディアなど多岐にわたります。それらはいずれ機会がありましたら、じっくりご紹介させていただきます。

番外編

<マネー>
マネー系メディアの多くは個人を対象としたものですが、メディアの特性上、経済・産業・企業・金融・マーケットなどの情報を扱っているため、ビジネス系メディアの一種と位置付けられます。

 ・日経ヴェリタス【新聞】
 ・株式新聞【新聞】/株式新聞Web【Web】
 ・ダイヤモンドZAi【雑誌】/ZAi ONLINE【Web】
 ・日経マネー【雑誌】
 ・会社四季報【雑誌】/会社四季報ONLINE【Web】
 ・みんなの株式【Web】
 ・ZUU online【Web】
 ・モーニングスター【Web】
 ・投信1【Web】

<経済番組(地上波)>
マスを対象とした地上波のテレビ番組では、ターゲットの狭い経済・ビジネス系の番組は限られています。しかし、特に日経グループのテレビ東京では、良質な経済ジャーナリズム、経済エンターテインメント番組を放送しています。

 ・ワールドビジネスサテライト
 ・Newsモーニングサテライト
 ・日経スペシャル ガイアの夜明け
 ・日経スペシャル カンブリア宮殿
 ・日経スペシャル 未来世紀ジパング~沸騰現場の経済学~

今回は初回ということで、ビジネス系メディアの全体像を整理してみました。次回から複数回にわたり、特にBtoBマーケターの皆さまの視点から、変化が著しい「ビジネス系Webメディア」の世界を深堀りしてみたいと思います。

 

<メッセージ>
●BtoBマーケターや広告代理店の皆さまへ
ビジネス系メディアを活用したマーケティング戦略、コミュニケーション戦略に関する情報交換はいつでも大歓迎です。
●ビジネス系メディアの皆さまへ
Webメディアへの参入や収益力の強化などでお悩みの媒体社さん、ご一緒にBtoBメディアの持続可能なビジネスモデル構築に向けて議論させてください。

お問合せ

企画推進部・部長

瀬木 友和

【プロフィール】大学卒業後、都市銀行に入行。その後、小売業の専門誌を刊行する商業界、『週刊東洋経済』や「東洋経済オンライン」などを刊行・運営する東洋経済新報社にて、一貫してBtoB広告やセミナー事業、カスタム出版などのビジネスに携わった後、独立。2015年に日本ビジネスプレスグループに参画し、顧客企業に対して、「JBpress」やその提携メディアを活用したBtoBコミュニケーションのソリューションを提供するとともに、媒体社に対しては、新たなビジネス系メディアの開発やコンサルティング活動を行っている。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加