2019.9.10

訪問のうち「2記事以上見ている」割合をGoogle アナリティクスで把握する方法

MediaWeaverを使っているメディアでの設定方法

小川 卓(株式会社日本ビジネスプレスCAO)

メディア 分析
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ウェブメディアの1つのゴールにPV数を増やすというのがあるかと思います、PVを増やす上で大切なのは、訪れた方に複数記事を見ていただく事です。1記事ではなく2記事以上見てもらうことでページビュー数を大きく伸ばせる可能性があります。そのためにレコメンドやランキング等を、みなさま、利用されているのではないでしょうか。

しかし、実際にどれくらいの訪問、あるいは割合が2記事以上見ているのか?Google アナリティクスなどのアクセス解析ツールを活用して把握しているでしょうか?一見簡単に取れそうなこの数値ですが、いざ、この数値を出してと担当者にお伝えしても結構困ってしまうかもしれません。本記事では、Google アナリティクスを活用して「2記事以上見ている」訪問の取得方法を紹介していきます。
 

2記事以上読むという定義をどう決めるのか?

 
例えばMedia Weaverを利用しているメディアであれば、記事のURLは以下のような形になっています。

1ページ目
https://サブドメイン.ismedia.jp/articles/-/57551
2ページ目
https://サブドメイン.ismedia.jp/articles/-/57551?page=2
・・・以降、page=XX の部分が変わります。
また記事を識別する番号は、連番で振られていきます。

この時、2記事以上見たというのはどのように設定するのが良いか少し考えてみましょう。
シンプルに考えると「記事IDが違うものを2つ以上見た」というような設定になりますが、Google アナリティクスではこのような「前に見たものとは違う」という条件を設定することが出来ません。

そこで今回は「pageが入っていない/articles/-/を見た後に、同じ訪問内でpageが入っていない/articles/-/を見た」という設定を使ってみたいと思います。

この条件を満たせば、同じ記事の1ページ目を2回見たという数値は入ってしまいますが、全体の中でもそれは少なさそうという仮説を受け入れられれば、これが一番良い方法かなと筆者は考えました。

MediaWeaver…日本ビジネスプレスが提供するCMS(コンテンツ管理システム)
 

Google アナリティクスのセグメント機能を活用して設定する

 
Google アナリティクスには特定の条件に一致する訪問やユーザーを抽出する「セグメント」機能が用意されています。例えば「モバイルからの訪問」や「検索エンジンから流入して、5分以上滞在した」「Topページを見た後にカテゴリページに移動した」などを設定する事が出来ます。

 

■Google アナリティクスのセグメント機能

 

こちらの機能を使って、今回は条件を設定します。
実際に設定してみた内容が以下の通りです。何のことやら?と思う方も多いかと思いますが、とりあえずいったんご覧ください。

 


上記の設定は、文中で紹介した「pageが入っていない/articles/-/を見た後に、同じ訪問内でpageが入っていない/articles/-/を見た」を設定するための方法です。

Google アナリティクスのセグメントではこのように順番を使って条件を設定する事が可能です。そこでステップ1とステップ2に同じものを入れています。

さて、「正規表現に一致」とありますが、ここをもう少し詳しく見ておきましょう。

/articles/-/[0-9]{1,8}$

という記述があります。これを分解していくと

/articles/-/ ⇒URLに左記の文字列が含む
[0-9]{1,8} ⇒/articles/-/の後に1から8桁の数値が入っている
$ ⇒ URLの終わりが上記の条件を満たしている(つまりpage=xx)などが入っていない

という意味合いになります。この表現を利用して「記事の1ページ目を見た」という設定を行っています。

正規表現が正しいかのチェックは、以下のようなサイトを利用すると良いでしょう。

正規表現チェッカー
http://okumocchi.jp/php/re.php

■記事の1ページ目は一致する

 

■記事の2ページ目(以降)は一致しない


まとめ

あまり良くわからなかったけど、2記事以上の訪問の割合を見たい!という方は、とりあえず本記事をGoogle アナリティクスの設定や分析などをしている方にお伝えいただければ、設定してもらえるかなと。

今回はMedia Weaverを利用しているメディア向けの例で書きましたが、他メディアでも設定は可能です。ただしその場合は正規表現の部分の条件が変わってきますので、自社メディアのURL構造を確認した上で、どのように記事の1ページ目を特定するか?をまずは考えてみるとよいでしょう。

ぜひこの「2記事以上見た訪問」をKPIの1つとして施策の評価や、PVを増やすために改善するべき数値として活用してみてはいかがでしょうか。
 

株式会社日本ビジネスプレスCAO

小川 卓

【プロフィール】University College London (UCL:英国)・早稲田大学大学院理工学研究科を卒業。渡米・渡英合計14年。TOEIC 965点(2010年)・GAIQ(2017年)・ウェブ解析士マスター(2016年)。趣味はピアノ・テレビゲーム・サッカー・温泉。ウェブアナリストとしてリクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパン等で勤務後、独立。複数社の社外取締役、大学院の客員教授などを通じてウェブ解析の啓蒙・浸透に従事。株式会社HAPPY ANALYTICS代表取締役。2018年3月より株式会社日本ビジネスプレスCAO。

 

※日本ビジネスプレスではMediaWeaver(メディアウィーバー)をご利用のメディア様向けに「グロースハックコンサルティングサービス」を行っております。ぜひ担当者までお声掛けください。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加