2018.8.7

ページビュー数を増やすために(4)見るべき数値とその見方を理解しましょう

小川 卓(株式会社日本ビジネスプレスCAO)

メディア 分析
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ページビュー数を増やすために(4)見るべき数値とその見方を理解しましょう

前回の記事では、JBpressのKPI設計例を紹介いたしました。今回は、これらKPIや重要な数値をアクセス解析ツール「Google アナリティクス」で見る方法を紹介いたします。どのメディアにとっても重要な数値なので確認の仕方を学んでおきましょう。

集客に関する数値

集客において大切なのは流入元ごとの評価を正しく行うことです。見るべき数値は、「流入数」「直帰率」「コンバージョン(会員登録)」等への貢献が中心になります。Google アナリティクスの「集客>すべてのトラフィック>参照元/メディア」のレポートを活用しましょう。
 

参照元/メディアが流入の分類になります。流入数は「セッション数」を確認するとよいでしょう。コンバージョンに関しては「会員登録」「メルマガ登録」などがある場合はそれらのページを目標設定しておきましょう。あるいはどのメディアでも有効なのは「●●ページ以上閲覧」という目標設定です。これら目標設定の方法は次回の記事で紹介しますね。

この数値を確認しながら、流入元ごとの時系列での変化や、成果に繋がりやすい流入元を特定しましょう。ちなみに「セッション数」と「ページ/セッション」を掛け算すると、その流入元が生んだ合計のページビュー数を確認できます。

上記の例であればgoogle / oraganic(Googleの検索エンジンからの流入)が生んだページビュー数は 9,503(セッション数) × 1.46(ページ/セッション) で、13,874ページビューとなります。このように集客ごとのPV貢献も確認できます。

複数回利用に関する数値

メディアのファンが増えると、また外部での露出が増えると、1人あたりの訪問回数が増えてくるはずです。この数値を確認するために便利なのがGoogle アナリティクスの「ユーザー>行動>リピートの回数と間隔」のレポートになります。

こちらのレポートでは集計期間にサイトに訪れた訪問が、(過去の訪問も含め)何回目の訪問だったかを把握することができます。

このレポートを見ると、訪問している人が、過去からも含めよく見に来ているか?ということがわかります。ただしこのままの数値では使いにくいので、エクセルでダウンロードしてパーセンテージ化してしまうのが良いでしょう。例えば上記の例であれば、9-14回のセッション数は221なので、221 / 18,097(合計セッション数)で1.2%となります。セッション数が多い数の割合が増えれば、それだけ多くの複数回訪問が発生していることになります。こちらも定期的にチェックしましょう

サイト全体の平均訪問回数は「セッション数÷ユーザー数」で確認できますし、流入元ごとの見たい場合は1つめの画像のレポートのデータを活用して流入元ごとの「セッション数÷ユーザー数」を計算するとよいでしょう

閲覧ページビュー数に関する数値

こちらも訪問あたりの平均ページビュー数に関しては、「ページビュー数÷セッション数」で簡単に確認出来ます(ユーザー>概要 レポート内で確認できます)。しかし、内訳などを見たい場合は「ユーザー>行動>エンゲージメント」のレポート内にある「訪問時のページ数」レポートを確認しましょう。
 

こちらのレポートでは、訪問した時に何ページ見たかが集計されています。上記の例であれば、訪問時に2ページ見たのが2,060セッションということです。こちらもセッション数のレポートと同様にパーセンテージで内訳を確認するとよいでしょう

数値を確認することの意味

重要な数値の確認方法を簡単に紹介いたしました。大切なのは数値をただ見るだけではありません。見ていても特に気づきが無いでしょう。ここから気づきを発見するためには「時系列で比較する(先月と今月など)」そして「改善施策を行った(例:レイアウト変更した)時にそれが効果となって表れたかを検証」ということです。

分析は集計が目的ではありません。そこから気づきを発見するために、ぜひ重要な数値を定期的に確認しながら、改善に活かしてみてください。次回はメディアサイトならではのGoogle アナリティクスでの目標設定方法について紹介いたします。お楽しみに!
 

第1回 まずは目標を整理
第2回 KPIを決めましょう
第3回 KPIの設計のしかた公開します

株式会社日本ビジネスプレスCAO

小川 卓

【プロフィール】University College London (UCL:英国)・早稲田大学大学院理工学研究科を卒業。渡米・渡英合計14年。TOEIC 965点(2010年)・GAIQ(2017年)・ウェブ解析士マスター(2016年)。趣味はピアノ・テレビゲーム・サッカー・温泉。ウェブアナリストとしてリクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパン等で勤務後、独立。複数社の社外取締役、大学院の客員教授などを通じてウェブ解析の啓蒙・浸透に従事。株式会社HAPPY ANALYTICS代表取締役。2018年3月より株式会社日本ビジネスプレスCAO。

 

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