2021.7.9

Googleサーチコンソール活用 第5回:タイトルとディスクリプションを改めて理解する

小川 卓(株式会社日本ビジネスプレスCAO)

メディア 分析
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前回の記事では「サーチコンソール」を活用して改善するべきキーワードを発見し、4つのニーズに基づいて、どのようなコンテンツを書くべきかを紹介いたしました。今回は検索の流入数に大きな影響を与える「タイトル」と「ディスクリプション」について理解を深め、更に流入を増やすためにおさえておきたいポイントを紹介いたします。

タイトルとディスクリプションが大切な理由

タイトルとディスクリプションは、検索を行った際に利用者がリンクを「クリックするか」「クリックしないか」を判定する重要な要素になります。

例えば、下記検索結果では青字の部分がタイトル、その下のテキストがディスクリプションとなります。

検索「順位」自体は検索エンジンのアルゴリズムで判定されるため直接介入は出来ませんが、タイトルとディスクリプションに関しては(よほど誤った内容を設定していない限り)はサイト側で指定する事が可能です。そのため、適切なタイトルやディスクリプションを設定できれば、より多くの人がその内容を魅力的に感じて、クリックをしたくなります。

例を見てみましょう。以下はサーチコンソールの結果画面の一部です。ページごとの平均順位(オレンジ:一番右の列)とクリック率(緑:右から2つ目の列)を確認してみましょう。

一番上の記事と一番下の記事は、どちらも7位くらいに表示されています。しかし上の記事はクリック率が15.8%、一番下は7.2%と大きく変わります。更に検索回数(紫:右側から3番目の列)を確認すると、下の記事のほうが2倍あるにも関わらず、流入数(青:左側から2番目の列)を見ると、上の記事のほうが多くなっています。

ここまでの違いが出たのは、タイトルとディスクリプションが上の記事のほうが魅力的でクリックしたいと思えたからです。タイトルやディスクリプションの重要性が伝わるのではないでしょうか。

タイトルやディスクリプションの設定方法

タイトルやディスクリプションは利用されているCMS内で設定出来ます。タイトルに関しては通常、記事タイトル+サイト名がタイトルになります。他サイトや記事のタイトルやディスクリプションは該当ページのソースを表示することで確認できます。

■JBpressの場合。8行目がタイトル、14行目がディスクリプションになります。

ディスクリプションは設定しないと何も記載されない場合もありますし、記事の冒頭を自動で取得してCMS側で設定されるかもしれません。なお全く記載が無い場合は、Googleがコンテンツを見て自動でディスクリプションを作成し検索結果に表示します。

しかし、どこを抽出してくるかはGoogle次第なので、記事の内容を説明する部分が対象になるとは限りません。出来る限り、サイト側でディスクリプションは設定しましょう。

良いタイトルやディスクリプションを作るためにはどうすればよいのか?

記事タイトルは執筆者がつけるため、大きく変更することは出来ないかと思いますが、以下をチェックリストとして活用すると良いでしょう。

□    タイトルは全角30~40文字程度になっているか(検索結果で表示される文字数は30~41文字になります)
□    記事に関する重要なキーワードがタイトルの前半部分に入っているか?
□    会社名やサイト名などはタイトルの後半に入っているか
□    キーワードを不自然に含めすぎていないか
□    ユーザーがこの記事を読むべき「理由」が提示されているか (前回の記事の、4つの検索意図を参考)
□    検索上位のタイトルを参考にして必要な要素を追加する


ディスクリプションに関しては自由度が高く、編集側がつけることも可能です。こちらも以下のチェックリストを参考に作成をしてみましょう。

□    ディスクリプションは全角100文字程度になっているか(検索結果で表示される文字数は100~120文字になります)
□    なおスマホでは80文字前後となるため、重要な要素は前半に持ってくる
□    検索流入を増やしたいキーワードを入れる。入れる場合は最大でも数個で、文章として違和感が無い形で追加を推奨。前回紹介したサジェストキーワードを活用
□    読者に問いかける内容になっているか?(続きを読みたい・答えを知りたいと思わせる)
□    読むことで得られるメリットが掲載されているか?
□    コンテンツのターゲットを記載する(誰向けの内容なのか)
□    タイトル・ディスクリプション共に他のページとの重複が無いようにする

こういった対応を全ての記事で行うことは大変です。特にディスクリプションは難易度が高いと思われます。そこで、まずは重要な記事をいくつかピックアップして試してみるのが良いでしょう。

重要な記事のピックアップ方法ですが
 1)検索回数が多い
 2)だけど順位が低い
 3)あるいは順位が高い割にはクリック率が低い
 4)その上で、自分で検索をしてみてタイトルやディスクリプションがわかりにくいと感じた
という記事が良いでしょう。時事性が強すぎるものは最初の数日しか検索されないので、ある程度「長持ち」する記事を対象にしてみましょう。
 

■同じような順位でもクリック率(CTR)が大きく違います

その記事に対してタイトルとディスクリプションの変更を行い、数日~1週間後にサーチコンソールで変化があったかを確認していきましょう。このような活動を行っていくと自社ならではの「虎の巻」やTIPS集が作れるようになります。


最後に
今回は検索流入において重要な要素である、タイトルとディスクリプションについて紹介してきました。検索エンジンからの流入において、ユーザーがクリックするかを判断する要素はこの2つしかありません。いくら良い記事だったとしても、タイトルとディスクリプションが適切に設定されていなければ、クリックされる機会損失をおこしていまいます。

流入が数倍になるような大きな変化が起きるのがこの部分です。私自身もいろいろなサイトや記事で、ちょっとした変更が大きな流入増に繋がることを体験しています。ぜひ、皆さんも月数本でも良いので、タイトルやディスクリプションを見直してみてはいかがでしょうか。
 

   第1回:自社サイトで流入キーワードや順位を見られるようにする
   第2回:「検索パフォーマンスレポート」を活用して流入キーワードの傾向を把握する
   第3回:検索流入を増やすべきキーワードとページを見つけるための方法
   第4回:選んだキーワードに対して、ユーザーと検索エンジンに求められるコンテンツを書く方法
 

株式会社日本ビジネスプレスCAO

小川 卓

【プロフィール】University College London (UCL:英国)・早稲田大学大学院理工学研究科を卒業。渡米・渡英合計14年。TOEIC 965点(2010年)・GAIQ(2017年)・ウェブ解析士マスター(2016年)。趣味はピアノ・テレビゲーム・サッカー・温泉。ウェブアナリストとしてリクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパン等で勤務後、独立。複数社の社外取締役、大学院の客員教授などを通じてウェブ解析の啓蒙・浸透に従事。株式会社HAPPY ANALYTICS代表取締役。2018年3月より株式会社日本ビジネスプレスCAO。

 

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