2018.10.26

ページビュー数を増やすために(6)メディアの効果を図るためにGoogleアナリティクスで設定しておくべき3つの目標(後編)

小川 卓(株式会社日本ビジネスプレスCAO)

分析 メディア
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ページビュー数を増やすために(6)
メディアの効果を図るためにGoogleアナリティクスで設定しておくべき3つの目標(後編)

前回の記事では、Googleアナリティクスで「平均●ページ以上閲覧」した訪問を目標設定する方法を紹介いたしました。今回は残り2つについても設定方法を紹介いたします。

目標を設定する理由や、Googleアナリティクス目標の設定画面に辿り着くまでの方法は前回の記事をご覧ください。
 

サイトにとって重要なリンクをクリックしいてる

単純にページ閲覧だけではなく、広告のリンクをクリックする、ファイルをダウンロードした、外部サイトに移動したというような「クリック」を成果で計測したいというケースが皆さんのメディアでもあるのではないでしょうか?

Googleアナリティクスには実装と設定をすることで「クリック」を計測する機能が用意されています。そしてこれらを計測して目標に設定することが可能です。

このクリック計測に使われるのが「イベント」という機能です。以下はあるサイトで取得している、ユーザーがダウンロードしたファイルとその回数を計測したものです。
 

 
このようにページの表示だけではない情報をGoogleアナリティクスでは取得することが出来ます。実装を行うためには、Google Tag Managerの設定なども必要となりますので、詳しい説明は割愛します。皆さんのサイトのGoogleアナリティクスを管理されている会社にぜひ一度相談してみてください。

MediaWeaverを利用されている企業様は、ご担当のメディアコンサルタントにご相談ください。

ちなみに「イベント」機能は設定をすることでかなり幅広いデータを取得できます。いくつか代表的な例を挙げておきますと

 ・ファイルのダウンロード
 ・何かをクリックした(リンクがあっても無くても)
 ・何かにマウスオーバーした
 ・入力フォームでどの項目を入力したか
 ・YouTubeの動画を再生して、どこまで見たか(「GoogleTagManagerだけで完結。サイト埋め込みのYouTube再生行動をGoogle アナリティクスで取得する方法」
 ・特定の時間間隔でデータを送り、サイトに何秒いたかを把握する

以下はJBPressで実際に取得しているデータです。

 
一部のページで取得しており、ページを開いてから15秒後・30秒後・45秒後・・・という感じでデータが送られます。2つの期間の差分を見ることで、何秒経ったら離脱しているかなどがわかります。

そして、この後紹介する「スクロールの計測」もイベント機能を利用しています。
 

スクロールの計測

メディアを提供している上でページビュー数は非常に大切ですが、「読者の確保」や「広告クリックの最大化」を考えるときに、同じくらい重要な数値があります。それがスクロールによるものです。

Googleアナリティクスのスクロール計測は主に2種類に分かれます。1つは「ページの何%までスクロールしたか」を計測するという考え方。そしてもう1つが「特定の位置まで(例:記事の終わりや広告表示まで)スクロールしたか」という考え方です。

こちらもGoogle Tag Managerを活用することで、比較的簡単に計測をすることが可能です。つまり記事をPVだけで評価するのではなく、「読了した回数」で評価したり、広告の本当のインプレッション(ユーザーの画面に表示された回数)」を計測したり、といったことが可能です。そして、もちろんこれらのデータも目標設定してみることが出来ます。

以下はある記事がどこまでスクロールされたかを計測したものです。25%刻みで計測を行っており、ページの縦の長さを100%にした時に、どこまでたどり着いているかが分かります。
 

 
こちらも実装・設定に関してはGoogleアナリティクスの担当者にお問い合わせするのが良いかとおもいますが、筆者が書いた長文記事もありますので、あわせて参考にしてみてください。
「15分で設定完了! Google Tag Managerで記事の「読了率」と「スクロール率」を取得しよう【小川卓のブログ分析入門 第2回】」
 

■まとめ

Googleアナリティクスはただページビューや流入元を計測するツールではありません。実装や設定を通じて様々なデータを取得し目標設定に活用することが出来ます。アクセス解析のデータが見られない理由の1つに「見たいデータが見られないから」というがあると筆者は感じてします。

しかし、「最後まで読まれた割合が一番高い記事」や「動画のコンテンツがしっかり見られているのか」などを知ることが出来たらちょっと見てみたいと思いませんか?

次回はページビュー数を増やすための具体的な施策に触れていきますので、お楽しみに!

第1回 まずは目標を整理
第2回 KPIを決めましょう
第3回 KPIの設計のしかた公開します
第4回 見るべき数値とその見方を理解しましょう
第5回 Googleアナリティクスで設定しておくべき3つの目標 

株式会社日本ビジネスプレスCAO

小川 卓

【プロフィール】University College London (UCL:英国)・早稲田大学大学院理工学研究科を卒業。渡米・渡英合計14年。TOEIC 965点(2010年)・GAIQ(2017年)・ウェブ解析士マスター(2016年)。趣味はピアノ・テレビゲーム・サッカー・温泉。ウェブアナリストとしてリクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパン等で勤務後、独立。複数社の社外取締役、大学院の客員教授などを通じてウェブ解析の啓蒙・浸透に従事。株式会社HAPPY ANALYTICS代表取締役。2018年3月より株式会社日本ビジネスプレスCAO。

 

※日本ビジネスプレスではMediaWeaver(メディアウィーバー)をご利用のメディア様向けに「グロースハックコンサルティングサービス」を行っております。ぜひ担当者までお声掛けください。

 

(内容はすべて執筆時の情報です)

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