2018.11.14

記事を読んでもらうための工夫を行う(1)導線を明確に

小川 卓(株式会社日本ビジネスプレスCAO)

メディア 分析
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記事を読んでもらうための工夫を行う(1)導線を明確に

せっかく書いた記事を読んでもらうための工夫はサイトのページビュー数や回数を増やすためにも非常に大切です。そこで、数回にわたり「(複数)記事を読んでもらうための工夫」について筆者の知見やノウハウから紹介していきます。

初回は複数記事を読んでもらうための工夫です。それは「導線を明確に」するという内容です。

導線ってそもそも何?

 
導線とは名前の通り、利用者を導いてあげることを指します。導線は「動線」という書き方もありますが、今回の工夫は導くという事を主眼においているため、導線を使います。

導線が特に大切なのは「記事が終わるタイミング」です。利用者が他の記事を読もう!と思うタイミングは大きく分けて3つです。

 1)    記事の見出しや最初の段落を読み始めて違うと思った
 2)    読んでいる途中に飽きてしまい、他の記事を見ようと思った
 3)    記事を読み終わったので他に参考になる記事が無いかを探している

今回は「3)記事を読み終わったので他に参考になる記事が無いかを探している」について考えてみましょう。多くのメディアサイトやブログ記事では、以下のような終わり方をしている事が多いのではないでしょうか?
 

 
記事本文があり、その後に広告枠等が入ります。そして、次にソーシャルボタンを入れているメディアも多いでしょう。そしてその後に関連記事の案内やバックナンバーが入ってくるという感じです。

この方法は定番ではありますが、非推奨です。なぜならユーザーの導線が記事終わりで分からなくなってしまうからです。さて、ユーザーの気持ちを追加して導線を見てみましょう。
 

 
ここで大切なのは導線(ユーザーの気持ち)が読み終わった後はいったん切れてしまうという事です。その時に適切な(分かりやすい)導線を用意してあげないと離脱してしまう可能性が高まります。スクロール率などのデータを見てもユーザーが離脱するポイントは記事が終わった直後です。

そしてどのタイミングでユーザーが終わりを認識するかというと「文章が無くて広告が入ってきた場合」あるいは「ソーシャルボタンが出てきた場合」です。読者の皆様も、ソーシャルボタンが出てくる=記事の終わりという風に無意識で思っていないでしょうか?

つまり、それより下に「おすすめの記事」があっても、そこまでスクロールしてくれない(つまりユーザーの画面に映らない)ということです。

そこで大切なのは記事を読み終わった直後(あるいは直前)に導線を用意してあげるという事です。またその導線も複数から選ばせるのではなく、もっとも関連性が高い物をまずは1つ案内することをオススメします。

では、これを入れた状態でのユーザーの心理を確認してみましょう。
 

 
(多少、理想も入っていますが)このように気持ちを途切れさせずに次の記事を読んでもらえる可能性があります。

このように記事の終わり方は、「もう1記事読んでもらえるか」に大きく影響してきます。ぜひ、皆様も自分のメディアで「ユーザーの導線」がしっかり作られているかを改めて確認してみてください。

次回も記事を読んでもらうための工夫を紹介いたします。お楽しみに!

 

「ページビューを増やすために」記事一覧

第1回 まずは目標を整理
第2回 KPIを決めましょう
第3回 KPIの設計のしかた公開します
第4回 見るべき数値とその見方を理解しましょう
第5回 Googleアナリティクスで設定しておくべき3つの目標(前編)
第6回 Googleアナリティクスで設定しておくべき3つの目標(後編) 
 

株式会社日本ビジネスプレスCAO

小川 卓

【プロフィール】University College London (UCL:英国)・早稲田大学大学院理工学研究科を卒業。渡米・渡英合計14年。TOEIC 965点(2010年)・GAIQ(2017年)・ウェブ解析士マスター(2016年)。趣味はピアノ・テレビゲーム・サッカー・温泉。ウェブアナリストとしてリクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパン等で勤務後、独立。複数社の社外取締役、大学院の客員教授などを通じてウェブ解析の啓蒙・浸透に従事。株式会社HAPPY ANALYTICS代表取締役。2018年3月より株式会社日本ビジネスプレスCAO。

 

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